100日後に死ぬワニ

漫画なんてものはここ数十年ほど見もしないが、ネットを適当に流し見をしていると、
「100日後に死ぬワニ 今日で最後・・」
くだらん4コマ漫画の、なんとも品のないタイトルだなと。
一応クリック。
そして予想通り、たいして可愛くもないワニの物語だった。

のはずが、休校ボケの身体にはジワリジワリと沁みこむような、なにかが届いてしまった。

死を題材にすることへの賛否もさることながら、多くの読者が平凡なワニ君の日常を親しみ、時間がたつにつれ、いつしか身近な存在になっていき、そして最後の死を慎んだことと思う。
すべてのことには必ず「終わり」があるはずなのに、昨今その「終わり」を実感できなく過ごす日々が続く。そんな時流はとても退屈に思う。いま死を考えることで、「いまをどう生きるか」、「いま、なにをするべきか」を問い、何気なく過ぎる「いま」に感謝をし、自分の生活ぶりを見直す機会にしたいと思う。

自分とは次元が違う一流たちは、常に「いま」と「終わり」を捉えて生きている。
Appleの創業者スティーブン・ジョブズはスタンフォード大学の卒業式スピーチで
「もし今日が最後の日だとしても、今からやろうとしていたことをするだろうか。違う、という答えが何日も続くようなら、生き方を見直せ」と説いた。

2019年にノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏は、受賞コメントで「未来を読みながら研究を進めていく。間違いなくゴールがあると確信が持てれば、少々の苦労があっても必ずやり遂げられる」と答えた。

中村俊輔は、「最終的な目標があるからこそ逆算の計算が成り立ち、今日(いま)すべきことが明確になる」と言い、高校生のときに27歳で代表の10番をつけるとサッカーノートに書いた。すべてのJリーガーたちも、目標は「日本代表に選出されW杯へ出場したい」と願う。しかし目標達成期限(年齢)を定かに取り組んでいる選手はどれだけいるだろうか。ちなみに俊輔はその目標を4年も早く現実のものとする。その後、“歴代最長の8年間”エースナンバーを背負うことになる。

一流から学びたい。
それは、「いま」と「終わり」を常時セットで秘めておくことが必要だということ。「終わり」が見えない努力ほど継続していくことは困難である。さあ「いま」からでもいい。行動しろ。遅いということはない。
一流の成功者達のごく当たり前のことを。

最近では若者の就活になぞらえて、お年寄りの終活なんて言葉も聞く。子どもや孫たちに迷惑をかけないように身辺整理をしたり、お世話になった人へ手紙を書いたりするそうだ。人生のけじめとしての行動だろう。
是非、我々サッカー部も来るべき最終章へ向けて、いまこそ蹴勝で結果を残していきたい。